本計画は、茨城県の療育を45年にわたり支えてきた「はらっぱ園」の増築計画です。
同園では親子による療育支援プログラムを中心に活動していますが、既存施設は老朽化が進み、諸室の狭隘化や低い天井による運動プログラムへの制約、さらには研修や交流のためのスペース不足など、多くの課題を抱えていました。そこで本計画では、これらの課題を解決するとともに、子どもたちが安心して過ごせる新たな居場所を創出することを設計のテーマとしました。
増築棟の中心には、木組みを現した高い天井の遊戯室を設け、子どもたちがのびのびと身体を動かせる開放的な空間を実現しました。一方で、木の香りに包まれた図書コーナーを設け、一人ひとりが自分のペースで落ち着いて過ごせる静かな居場所も用意しています。活動的な空間と穏やかな空間を緩やかにつなぐことで、その日の気持ちや個性に応じた多様な過ごし方ができる環境を目指しました。
内装には県産の杉・檜を積極的に採用し、木の温もりや香り、やわらかな質感を感じられる自然素材の空間としています。また、大人用トイレや湯沸かし室を新たに整備することで、研修や地域交流など多目的な利用にも対応し、施設全体の機能性を高めました。
「木の温もりに包まれた多様な居場所を重ね合わせることで、子どもたち一人ひとりの個性を受け止め、安心して成長できる療育環境を建築として実現しました。」


