竣工から25年経過し利用者ニーズの変化、働き方改革、福祉医療機器の進化、省エネ化等への対応と、今後20年先の施設運営を目指して長寿命化工事が計画されました。設計にあたり、理事長はじめ現場スタッフの皆さまとヒアリングを重ね、改修箇所や必要な諸室をリストアップし、その中から優先順位を決めて設計に入り、具体的なデザインイメージ(元気で明るい)、仕様、予算、工事工程等を決定しました。
主な改修内容は、外部は外壁の塗装、クラック補修、防水、ベランダの笠木等の改修など。
内部は1階のリハビリステーションの床・壁の改修、空調機の交換などを主に行いました。大浴場と脱衣室は、今のニーズに合ったデザイン性と機能性を備えた空間へと一新する事となり、躯体を残して一度内部を解体し、全面的な改修工事となりました。これまでの大浴槽を撤去し、リフト付シャワーキャリーで直接入れる個人用浴槽に入れ替え、床・壁・天井、設備(空調機・換気扇、給排水)、アルミサッシュも新設しました。特別浴室においては、シャワードームを設置しました。
入居者のエリア(2・3・4階)は各療養室の内装及び家具、共用部の床・壁の改修。特別室のプランの変更、各階食堂の内装及びパントリーを改修しました。また御要望のあった入居者とご家族の懇談スペースや、カフェスタイルのスタッフ休憩室などを新たに設けました。
今回は約7カ月に及ぶ工事でしたが、施設を使用しながらの工事の為、利用者の方々、理事長はじめ各現場スタッフの方々の全面的なご協力と、併せて工事関係者の綿密な工程管理の下で、安全安心な工事にご配慮頂いたお陰で、無事に完了することが出来ました。
施設改修の3つのポイント
1) 施設を運営しながらの改修方法
・計画的に工区を分けた工事で利用者に最小限の負担で安全に改修
・施設長を中心とした各担当責任者、設計者、施工者による工事の進行管理
2) 働きやすい・暮らしやすい施設へ
・木の温かみのある内装と機能性を高め、スタッフの介護環境が改善され利用者が笑顔に
・経年劣化に伴う漏水、設備配管の問題等が発見でき事故が起こる前に改修
・早い段階で、取り入れる福祉医療機器の選定を行う
3) 適正な工事コストバランス
・綿密な建物調査と、修繕計画で総事業費を把握し改修の優先順位を明確化
・設計段階でのコスト及び納期の適正化の把握(材料・工法の比較検討)
・福祉施設に適した建設会社による競争入札にて工事費の適正化を図る
利用者とご家族、働くスタッフ共に
笑顔になれる施設を目指して
介護老人保健施設ゆうゆう 長寿命化工事 石岡市 2024
事業主 |
社会福祉法人 欅会 | |
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施設名 |
介護老人保健施設ゆうゆう | |
所在地 |
茨城県石岡市 | |
地域地区 |
市街化調整区域 | |
主要用途 |
介護老人保健施設 | |
工事種別 |
長寿命化工事 | |
構 造 |
鉄筋コンクリート造 階数:地上4階 | |
完 了 |
2024年2月 (創建1998年7月) | |
敷地面積 |
13,832.63㎡ | |
建築面積 |
2,391.41㎡ | |
延床面積 |
5,218.12㎡ | |
設計監理 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
担 当 |
吉田・山本・吉田りら |