つくば市の東方、桜川沿いにある集落、栗原に建つ木造平屋建て住宅です。この場所には築200年を超える古民家があり、その老朽化した古民家の建て替えです。解体した古民家の一部は造作材として再利用しました。
敷地内には沢山の樹木があり、それらをできるだけ残して風情を継承し、落ち着いた日本民家の佇まいとなるようイメージしています。
建物は広い敷地の中央に配置し、ゆったりとしたアプローチとしました。
平面構成は北側にプライベートな生活空間と水廻り、南側はパブリックな要素としH型の間取りとし、中庭を設けて採光や通風を確保しました。
分棟的な屋根形状にしたことで建物の圧迫感を抑え、近隣との調和をはかると共に、敷地環境に開かれた開口の多い間取りながら、隣家からの視線を遮るほど良い距離感を保った。軒の深い燻瓦の切妻屋根と珪藻土塗りの外壁は、陰陽のある情緒的風情と現代住宅としての機能性を兼ね備えた新たな民家の意匠を探求しました。
間口2間の玄関は、かつての土間のような、ゆったりとした空間で人を迎え入れます。ホールから繋がるリビング、茶の間、食堂、キッチンは大黒柱を中心に田の字のプランを現代的にアレンジしました。
各室間の引き戸を開け放つと50帖近い大きなワンルーム空間となります。家での行事ごとは地方でも少なくなっているが、様々なシーンに柔軟に対応できる間取りは暮らし方のバリエーションを多様にします。
リビング南側掃き出しサッシュはフルオープンとなり、前庭と室内が一体化します。
各部屋とも2方向に窓があり、梅に桜、もみじや楓など四季折々の表情を楽しむことができ、日常の生活に安らぎを与えます。
構造材や造作材、建具材全てに茨城県産の檜、桧、松を使用しています。土台、柱、梁、小屋組の軸組加工は、すべて熟練した大工さんによる手加工で行ないました。
栗原の家 Na邸 新築工事 つくば市 2018
所 在 |
茨城県つくば市 | |
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建築面積 |
1890.00㎡(571.00坪) | |
延床面積 |
246.00㎡(74.00坪) | |
構造・用途 |
木造平屋建て 専用住宅 | |
工事種別 |
新築 | |
竣 工 |
2018年 2月 | |
担 当 |
吉田・ | |
設 計 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
家族構成 |
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敷地環境 |