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CASE 20

築160年の長屋門をモダンアートのギャラリーへ再生

ギャラリー「登翔庵」 リノベーション 小美玉市 2021

コンセプト

■ 背景
 ギャラリー「登翔庵」は小美玉市南部に位置し、現在は過疎化が進み集落には廃屋も点在しますが、縄文時代の貝塚史跡を有するなど、太古の昔から人々の暮らしが面々と続いてきた豊かな場所で、またこの地一帯は関東ローム層の赤土で覆われており、樹木生産に適した環境の為、日本有数の落葉広葉樹の産地として栄え、クライアントである中村家はこの地で代々、緑化用樹木の生産・卸を営んできました。
 そうした歴史ある旧家に残る長屋門を、誰もが気軽に立ち寄れるギャラリーとして再生しました。

■ 設計コンセプト
【経過】
 長屋門が創建されたのは、19世紀後半(江戸末期)頃で築160年ほど経過しています。建物は長年の経年劣化により、柱の根元や土台が腐食し壁も崩れ落ちるなど、損傷が激しい状況でした。その為、壁・天井を一度ばらした後で、建物を地上から1.5mほどリフトアップし、基礎、土台を新設するなど構造を全面的に補強しました。
 外壁は伝統工法の意匠を踏襲し、漆喰塗及び腰壁は無垢の杉板目透し張り、内部は丸太の手斧削りの梁や、一部屋根の茅葺きを現しとしています。

【過去と現代が対話し対峙する】
 長屋門の中に一歩足を踏み入れると、中村氏が収集した現代アートデザイナーKOGAKENが描いた鮮やかなポップアートが並びます。その頭上には歴史を刻んだ手斧削りの黒い丸太の梁があり、過去と現代が対峙しつつ対話しているような世界観が広がります。

 既に長屋門としての機能は、現代において必要が無くなったが、歴史ある古建物をギャラリーとして再生させることで、古いものと新しいものとの間に、より積極的な対話が生まれ、これまでにない現代アートの為の生命力に溢れた空間を作ることが出来ました。同時に過疎化の進む地域にあって、歴史ある古建築をより質の高い建物へと変えることで、魅力ある集落づくりへと繋がり、人々が集い交流し新たな文化を発信する場所となる事を考えました。

完成までのブログ
特徴
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外観

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ギャラリー

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ギャラリー

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外観

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応接室入口

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応接室

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手斧削りの梁

コンセプト
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コンセプト

所 在

茨城県小美玉市

創 建

江戸末期頃

敷地面積

3,577.02㎡(1082.05坪)

建築面積

90.12㎡(27.26坪)

延床面積

65.83㎡(19.91坪)

構  造

木造平屋建て(伝統工法)

工事種別

改修工事

竣 工

2021年 5月

設 計

㈲吉田建築計画事務所

担 当

吉田、川﨑
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