泉ヶ丘こども園は、JR常磐線の石岡駅前に立地しています。2階に設けた大きなルーフテラスからは、駅のホームに入る電車がよく見え、子どもたちは興味深く電車の様子を観察したり、手を振ったりしています。また、駅前の立地は、保護者の方々にとっても通勤や送迎の利便性が良く、円滑な保育活動をサポートしてくれます。
自然環境への調和: 町中の立地ですが、園舎を自然と調和させるデザインを心掛けました。構造は地域産材を活用した木造(ハイブリッド工法)とし、自然光の活用や緑豊かな園庭の設置など、自然と触れ合う機会を多く作り出すことで、子どもたちが豊かな自然の中で学び成長できる環境を実現しています。
木造耐火建築物:泉ヶ丘こども園は児童福祉法の規定もあり、木造耐火建築物(60分)となっています。木造でありながら、RC造等と同等の高い耐火性能を有しています。床や家具、建具等にも木材を使用しトータル200㎥の木材を使い、温かみと耐火性を兼ね備えた園舎は、子どもたちと保育士の方々に安心と安全を与え且つ、Co2 排出削減など省エネ化もはかり、地球環境にも配慮した建物となっています。
大きな遊戯室:泉ヶ丘こども園は、運動療法を取り入れています。そこで園舎の真ん中に大きな遊戯室を配置しました。天気に影響されないでいつでも子どもたちが、身体を動かす事が可能になります。そして遊戯室の上部は天窓のある、大きな吹抜けとしました。吹抜けは開放感を感じると共に空気が循環し、快適な室内環境を保ちます。
その他、保育士専用の玄関、休憩室、シャワー、トイレ等を設けることで、泉ヶ丘こども園は、子どもたちにとって安全で快適な環境を提供すると共に、保育士の方々が働きやすい環境づくりも大切な要素として取り入れました。
CASE 25(木造園舎)
泉ヶ丘こども園 木造2階建(耐火建築物) 新築工事 茨城県石岡市 2023
泉ヶ丘こども園 園長 渡辺信行
「未来に向けて」
当園は、昭和27年に保育所として認可を受け、昭和53年に当地に移転、平成31年より幼保連携型認定こども園として開設しており、石岡駅東側にあり、園舎から駅のホームが見える場所に位置しています。
新園舎には、こども達の安全を守りながら、教育・保育の場としての一層の機能向上を求めました。幸いにも、木造・耐火建築を選択できたことは、こども達の未来にも貢献できるものと考えます。
外観は街並みに合わせ落着いた色調を使い、内部は「木」の温かみを感じられる構造となっており、基本的生活習慣の形成に重要な食事・排泄の設備を充実させました。また、衛生環境では通気や採光、温度管理を図りながらも、自然の風を感じられるよう、二か所のテラスを設け、外部からはプライバシーを守り、内部は開放的な構造となっております。
今回、設計施工に多くの方々のご理解・ご協力を得られ、これまで以上に教育・保育の充実に努めてる基盤を完成させることができました。
社会福祉法人愛育福祉会 理事長 渡辺信行
このたび、地域の皆様をはじめ、多くの方々のご理解とご協力のおかげをもちまして泉ヶ丘こども園の新園舎建築が無事竣工の運びとなりました。心より感謝申し上げます。
泉ヶ丘こども園は、先代理事長・渡辺宏が昭和23年に創めた児童館活動を発端とし、昭和27年に泉ヶ丘保育園として保育所認可を受けました。昭和53年に現地に移転し、就学前の子ども達にとってより良い環境づくりに取り組んでまいりました。
新園舎は、石岡市の将来を担う子ども達の過ごす場として安心・安全を高めるため、環境にも優しい木造耐火建築を採用し、子ども達のプライバシーを守りながらも開放的な室内構造、生活の基本となる「食」も重要と考えた給食設備の充実、また保育者の働きやすい環境創りを目指し、スタッフルーム・休憩室を設け、併せて育児支援棟も一新しました。
新たな園舎を得て、これからも子ども達・保護者・地域への社会的責任を果たし、よりよい家庭環境作りの支援に最善を尽くしてまいります。
事業主 |
社会福祉法人 愛育福祉会 | |
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施設名 |
泉ヶ丘こども園 | |
所在地 |
茨城県石岡市 | |
用途地域 |
第1種住居地域 | |
地域地区 |
法22条地域 | |
主要用途 |
幼保連携型認定こども園 定員140名 | |
工事種別 |
新築 | |
構 造 |
木造(KES工法)木造耐火建築 階数:地上2階 | |
竣 工 |
令和5年9月 | |
敷地面積 |
2,105.79㎡(637.00坪) | |
建築面積 |
644.85㎡(195.06坪) | |
延床面積 |
1,196.1㎡(361.82坪) | |
設 計 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
担 当 |
吉田・山本・吉田りら | |
リンク |
泉ヶ丘こども園ホームページ |