建具の再利用
民家を再生する際に、使わなくなった建具を再利用する場合、デザインや状態、サイズをもとに適材適所での利用を判断します。
K邸では3室続きの間であった室を、耐震性と使い勝手を考慮して壁を設置してそれぞれ個室としました。そこで余った板戸(写真:右)をホール空間と居間を仕切る間仕切戸として活用。その際に、建具を居間より1段下がったホール(土空間に床を張った)の床まで15㎝ほど下げるため、文字通り下駄をはかせました。
また写真右では、引き違いの4枚扉でしたが、再利用後は戸袋を使って引き込み戸としたことで、居間とホールを一体として活用することが可能となりました。
他に、I 邸では廃棄した建具のガラスを新たな建具に活用することで、味わい深い雰囲気を醸し出すことができました。
設備の配線・配管を隠す
次に設備(電線、空調のドレン・冷媒管)の配管・配線の隠し方について。
外部に接しない居室の配管は、隠すのに苦労しますが、手法の一つとして構造材のように見せて、実は意匠的に設けたダミーの梁(一部をくりぬいて)を使って通す方法があります。
小屋梁を新しく入れかえる場合、解体した他の民家で不要となった梁を活用することもあります。