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2022-01-04

謹賀新年 2022

新年を迎えて新たな気持ちで取り組んでまいります。

まだまだコロナ禍が続き先の見通せない状況ですが、昨年は都心で働く友人より、リモートワークとなったので、住居を都心から実家(茨城県石岡市)に移したい、ついては実家(古民家)のリノベーションを依頼したいとの仕事を頂きました。設計を進めていく中で、東京中心の大市場主義や合理主義に陰りが見え、世の中の価値感が大きく変化していることを体感すると共に、これまでの仕事を振り返る機会を頂きました。

昨年は弊社の手掛けた作品から、蔵図書館(古蔵をリノベーション)が茨城デザインセレクション選定、野草舎森の家がキッズデザイン賞、平磯保育園が[林業いばらき2021.12]の表紙に木材利用優良事例として掲載されました。また、2021年10月には茨城県立つくば美術館ギャラリーにて、写真家のHirabayashiKatsumi氏とのコラボによる住宅建築展「the LIFE」を共同開催(カーサココチ)しました。

これまで30年に渡り木造建築に携わってきました。ここ数年は県外(東京都、千葉県、群馬県)からも仕事を頂く機会が増え、生活経験のない土地で木造建築を作ることで、気候・風土の違いやそれによる生活の歴史、文化にまで深く建築が影響していることを肌で知ることができました。そうした本質的な違いを知ることで、改めて日本各地において木造建築を創る事の大切さを認識する機会となりました。

最近になって、弊社に木造を学ぶ目的で就職する若者や、インターンシップの大学生も増えています。地産地消による木造建築の意義と可能性を感じ、地域材を活かした木造建築をさらに創造して行きたいという思いを新たにしました。

近年は、地球温暖化現象への対策として、持続可能な社会の実現に向けた取り組み(SDGs)が世界中の目標として掲げられ、その一つとして改めて木造が見直される時代が来ています。木造の新しい可能性にチャレンジしていきたいと思います。

昨年、酒田市の土門拳記念館(1983年)を再訪しました。飯森公園の水面に浮かぶ外観は、まったく時の流れを感じさせず、逆に時を経て美しさが増したように感じました。

ネット通信環境が目まぐるしく進化を遂げ、社会の価値観が多様化する中で、改めて人の暮らしのあり方や、街や地域の大切さと魅力のある質の高い場所の創造が求められていると思います。

次世代へ新しい価値ある建築を創造して行きたいと思います。

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