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2023-09-28

モロッコ建築視察Ⅴ

9/19(火) 7日目

▬マラケシュ2日目

-文化と芸術の街としても知られ イブサンローランが愛した地、マラケシュ。

マジョレル庭園

マラケシュ2日目は8:45分にホテルを出発し、午前中に「マジョレル庭園」を訪れました。フランス統治下の、1920年代にフランス人アーティスト、ジャック・マジョレルが 、伝統的な模様と青と緑を基調としたアールデコ調の庭園 を造園しました。1961年に亡くなるまでジャック・マジョレルが所有していた私有地でした。
その後、フランスのイヴ・サンローランとその生涯のパートナーであるピエール・ベルジェが取得し修復しました。巨大なサボテンや、モロッコでは珍しい竹林 、ジャスミン、蓮 など、400種以上の草木や花が植えられています。
旧市街・メディナの喧騒とは全く無縁の 緑豊かなオアシスのような楽園的空間が広がります。
マジョレル庭園の奥には“マジョレルブルー” と呼ばれる鮮やかなブルーの建物が佇んでいます。

イブサンローラン美術館 
「マジョレル庭園」 を出て、通り( イブ・サンローラン 通り)を左手に行くと隣接 して建つイブ・サンローラン美術館 へ。

ここは 、アーティストでありデザイナーであるイヴ・サンローランの人生と作品を称えるために設計された、フランスのパリとモロッコのマラケシュの2ヵ所に建設された美術館で、フランスのスタジオ・コーによる設計です。
敷地はマジョレル庭園内にある6.7エーカーの敷地内に建てられています。

美術館は モロッコの日干しレンガをレースのように組み、直線と曲線を組み合わせた建物は、周囲の風景に溶け込みつつ、エレガントな存在感を放っています 。 内部は常設の展示スペース、企画展示スペース、研究図書館、カフェ、売店、ホール(150席 )で構成されています。


9/18(月) マラケシュ2日目

マラケシュのメディナ(旧市街)散策

美術館見学の後はバスで移動して、午前11:30~昨日に続き再びマラケシュのメディナへ、世界最大といわれる ジャマ・エル・ フナ広場北部に広がスーク ( 市場)を散策 。木工芸、鍛冶屋、革工芸品、絨毯、骨董品、 金細工等。とバラエティ豊かなスークが続きます。


 マラケシュ2日目

ル・ジャルダン・セクレ (庭園)

ここはマラケシュのメディナのスーク内にある庭園です。
元政治家の邸宅を、改築して庭園にしあげた「秘密の庭(Le Jardin Secret)」。2007年にリニューアルオープンし、その工事の様子が写真で展示されていましたが、莫大な工事費が掛かっているようでした。5大陸の草木が植わるエキゾチックな庭園とイスラム式庭園の2から構成されています。
イスラム式庭園では、コーランを反映した4つの象限に分かれ、伝統的な中東の庭の形式となっています。
また、注目すべきは水路で、アトラス山脈からの水の資源を有効に使うための地下水路が張り巡らされています。

マラケシュでのランチは「DAR NEJJARINE] 

フナ広場から歩いて5分程度のメディナ中心部にある、モロッコ料理のレストラン。メインのタジン鍋はミートボールの入ったオムレツのような料理で美味しかったです。テラス市からはメディナの眺めが良いようです。価格帯からしても場所がら観光客向けのレストランといった雰囲気です。

なお、偶然にもこのレストランに、被災地を支援されている団体の方が居合わせて、被災地の村の状況の動画を見せていただいたが、大変悲惨な状況でした。視察中に見たモロッコの伝統的な建物は、大きな地震の横揺れに耐えられる構造ではなく、すぐさま崩壊に至るような状況であり、被災した方々を想うと気の毒としか言いようがありませんでした。 一方で、今回の視察でお世話になったガイドさんや運転手さん等、モロッコ人の方々は、皆さん穏やかで知識が豊富な方で、またハードなスケジュールにも気持ちよく対応してくれました。厳しくなる世界情勢の中で、外国人相手に柔軟に対応できるスキルとコミュニケーションの高さは、こちらが勉強になった次第です。


9/19(火)

▬カサブランカ1日目

マラケシュを午後3:00に出発し、最後の訪問地であるカサブランカに午後6:30に到着。ホテルで小休止の後、バスにて夕食会場へ向かいました。
途中で、美しくライトアップされたハッサン2世モスク前で、運転手の方が気を利かせてバスを停めてくれました。お陰で予期していなかった美しい夜景を堪能することができました。



「リックスカフェ」

そして 今夜がモロッコでの最後の晩餐となりました。レストランは「リックスカフェ」。 この店が有名なのは、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンによる 不朽の名作、映画「カサブランカ」 によるものです。また店名はハンフリー・ボガードが演じたリック・ブレインの名前が由来であると言われています。店内のインテリアはその映画のセットのレプリカなのです。しかし 天井まで伸びたヤシの木や、アーチ下の小さなグランドピアノ、 テーブルの上のランタンなどセンスはすばらしく、 時空を超えて古き良き時代へタイムスリップしたかの様な雰囲気を味わえました。モッザレラチーズのサラダ、フィレステーキ、地元のワインなど料理もお酒もおいしかったです。 お客はフォーマルな服装の欧米人が多く、ピアノの生演奏での 映画音楽やジャズ音楽もあり、映画のワンシーンのような世界観を堪能しました。

9/20(水)最終日

▬カサブランカ2日目

最終日は昨夜に続いて 、ハッサン2世モスクを視察しました。 昼間の方が海と空の抜けるような青さが加わり、より壮大なスケール感を感じました。
建物は1980年に建設が始まり、13年後の1993年に完成したそうです。
設計はイスラム建築に精通していたフランス人の建築家、ミッシェル・パンソー氏が行ったとの説明でした。 モロッコには多くのモスクがありますが、イスラム教徒以外でモスクの内部が見学ができるのはここのモスクだけだそうです。

ミナレット (光塔) は 高さ210メートルあり、夜になるとイスラム教徒の聖地、メッカの方向にレーザー光線が放たれ、この光は30キロメートル離れた所からでも識別できることから、灯台の役目も果たしているそうです。またモスクの総敷地面積は9ha、モスク内には2.5万人、モスク前の広場には8万人、トータル10万人以上の信者を収容でき、近代的な設備を整えるモスクは、コーラン神学校や図書館、カサブランカ歴史博物館なども併設した世界最大規模のモスクです。

モスクの装飾をかたどっている大理石は、イタリアのトスカーナ州のカラーラ産で、天井から吊り下げられたシャンデリアは、ヴェネツィアのムラノ島で作られたものとの事でした。

現地8日間の視察は、終わってみればあっという間でした。以前から一度は訪ねてみたいと思っていたモロッコへ来られたことは本当に幸せな事だと思っています。  

 今回のモロッコ南部でおきた大震災については、大勢の死傷者がでて、現在も大変な生活をされている地域や人々がいらっしゃることへ心より、お見舞いを申し上げると共に、
今回、私たちが訪ねたサブランカ、シャウエン、フェズ、メクネス、メルズーガ、アイトベンハドゥ 、マラケシュは問題なく観光が可能な状況でした。 今後の情報を把握した上で、是非、モロッコへの旅を検討されている方は、お出掛け頂きたいと思います。その事が震災復興支援に大きく繋がる事だと、今回の視察を通し痛感しました。また皆さんの目で見ていただき、観光が可能な地域もあるという事を伝えてほしいとのメッセージも預かりました。

最後に、今回のモロッコ建築視察におきまして、大変お世話になった、青木先生•坂本先生はじめアシストツアーの皆様、現地ガイド及びドライバーの方々、そしてツアーに参加されましたメンバーの皆様に、心より感謝申し上げます。

 

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