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2023-12-27

椅子の展示会

椅子は「小さな建築物」と言われます。

なぜそのように言われるのか興味があり、12月初旬に2つの椅子の展示会を見学しました。

1つ目は「建築家の椅子30脚展」(リノベる東京表参道にて開催)です。こちらは国内外の建築家やデザイナーが近現代にデザインした椅子の展示販売を行った企画展です。ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエ、黒川紀章氏など世界的な建築家の作品に座ることができました。

ミース・ファン・デル・ローエの「MR20」
カンチレバー(片持ち梁)構造のチェアで、スチールパイプのフレームに座面と背面には籐が編み込まれています。籐の優しい色合いが美しく、しなやかで安定感があります。
山中俊治氏がデザインした「Sチェア」(山本理顕氏プロデュース)
アルミ押出成形の部品同士をつなぎ、座面と背面を形成しています。アルミの特性が活かされ、軽やかでシンプルなデザインです。

2つ目は「やさとの椅子展20周年記念展」(茨城県笠間市久野陶園ギャラリーにて開催)です。石岡市を中心に活躍されている家具職人さん、木工職人さんによる手作りの椅子の展示会です。こちらも実際に座ることができました。

おおば木匠さんの作品
タモ材の手触りが心地よく、背もたれの角度も絶妙です。
佐々倉文氏がデザインした「また、木にこしかける」
お洒落なオブジェのようですが、座る人をしっかり支えてくれるアイアンチェアです。

2つの展示会を通して、椅子が素材や快適性、構造・デザインといった建築に必要な要素を兼ね備えていること、そして建築物と同じようにどれを強調し優先するかによって、その椅子の特徴や個性が表れていることを肌で感じました。

(スタッフ:渡辺)

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