2023-05-02
リノベーション完成しました。
施主のお爺様(故人)が、約40年前に 建てた和風木造住宅をリノベーションしました。 ご相談から竣工まで約2年での完成となりました。
当初は解体して新築との案も出ましたが、構造体は問題なく良質な木材であることや地球環境、建築コストを考え、リノベする方向との結論に至り設計がスタートしました。これまでの客間を中心とした家から、家族の生活の場を中心とした住まい方とする案をご提案し、奥座敷の二間続きの部屋を、床柱・書院・長押など昔の記憶を残しつつ、リビング・ダイニング・キッチンを配置しました。また謎に太い柱や骨太な化粧階段など、やや重く曖昧な雰囲気で構成されていた 玄関廻りのデザインを一度ばらし、数寄屋的な軽やかな見立てに変えて、日常生活に中に、和の建築がさりげなく楽しめる設えとしました。古い家を継承しつつ、世代間による和文化の価値や、心地よさの違いを楽しむことがとても自然なように思えました。微かに残る昔の記憶に新たな記憶が刻まれる、新築では味わえない、そんな住まい方も良いのではないかと思います。
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