来間島探訪 RC造住宅で作られた島の集落
2026年初春、沖縄県宮古島の南西に浮かぶ離島・来間島を訪れました。事前の知識はほとんど持たず、あくまで旅の延長として足を運んだに過ぎませんでした。しかし、その何気ない訪問は、建築士としての感覚を強く揺さぶる体験となりました。
宮古島から車で来間大橋を渡り、緩やかに島内へと進むと、やがて視界は丘の上の集落へと導かれました。そこで目にしたのは、整然と連なる石積みやブロック塀に囲まれた、RC造・陸屋根の住宅群であった。
南国の離島、しかもフクギの防風林に守られた古い集落でありながら、風景の主体を成しているのは鉄筋コンクリート造の建築でした。その光景は、いわゆる「伝統的集落」のイメージとは明らかに異なり、戦後の様々な事情(地理的、気候的、生活様式など)に応答してきた結果としての、地域風景の在り方を示しているように思えました。
同時に、島全体にはどこか時間が静止したかのような静けさが漂っていました。懐かしさにも似た感覚に導かれ、車を降りて集落内を歩くことにしましたが、通りを歩いていても生活の気配を感じる様子は多くはなく、過疎化の進行を肌で感じました。観光客以外の人影はまばらで、島の方とすれ違うこともほとんどありませんでした。
一方で、空き家をリノベーションした小さな店舗が点在し、そこには若いオーナーと観光客の姿があり静寂の中に現れるその小さな賑わいは、島に新しい時間の層を重ねるような存在であり、風景の中でささやかなアクセントとして機能していました。
今回の旅では宮古島を拠点に、橋で結ばれた島々を巡り、美しい自然とともに、SNS時代特有の現象──離島でありながら行列を生むスイーツショップの存在など──も体験しました。しかしその中で来間島は、観光地としての消費的な風景とは一線を画し、固有の文化や歴史、地理的条件、そして戦後の集落変容が折り重なった「生きた風景」として、強く印象に残りました。
ここは単なる観光地ではなく、建築や都市のあり方を考える者にとって、多くの示唆を含んだ場所である。地域の気候風土に応答した構法の変遷、人口減少と建築の関係、そして外部からの新たな流入による再生の兆し──そのすべてが凝縮されていました。
この訪問をきっかけに、来間島の集落構成や建築的特徴について、もう少し詳しく読み解きたいと思いました。
























