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2026-04-25

南高野保育園遊戯室棟・茶室棟 完成しました。

10年前に設計させていただいた南高野保育園様(茨城県日立市)に、このたび100%茨城県産の檜を使用した遊戯室棟と茶室棟が新たに完成しました。

これまで敷地面積の制約から遊戯室を設けることができず、園庭も限られた広さにとどまっていましたが、今回の敷地拡張により本計画が実現しました。新しい遊戯室は、天候に左右されることなく、日常的にダンスや運動を楽しめる場として機能します。また構造材・造作材には100%茨城県産の檜を採用し、木の香りと手触りに包まれる、自然の温もり豊かな空間に仕上げています。

建物には、縁側的な半外部空間を設けました。内と外をゆるやかにつなぐこの場所は、子どもたちにとって、遊びや気づきが自然に生まれる場となります。こうした環境は、知識だけでなく主体性や協調性、想像力といった非認知能力を育む上でも大きな役割を果たすと考えています。

また県産木材の利活用は、山の健全な循環を支える取り組みにもつながっています。地域の森林資源を適切に使い、次の世代へとつなげていくことは、建築が担うべき重要な役割の一つです。本計画は、子どもたちの成長の為の環境と地域の自然環境、その双方に寄与する建築の在り方を模索したものでもあります。

ここで過ごす時間の中で、たくさん体を動かし、風や光、木の香りを感じながら、自分の「好き」や「楽しい」を見つけてほしいと思います。縁側でぼんやり空を眺める時間も、友だちと夢中になって遊ぶ時間も、すべてが子供たちの大切な力になります。建築は何かを教えるものではなく、気づきや発見をそっと支える器でありたいと考えています。

広々とした園庭、天候に左右されない遊戯室、日本文化に触れる茶室が整ったことで、保育環境はより豊かに、より多様な学びを内包する場へと進化しました。

これからのこどもたちの成長を、心より楽しみにしています。

子供たちみんなで記念写真を撮りました。
遊戯室棟全景 南側に大きな縁側空間が広がります
左側が遊戯室棟、右側が茶室。親子が手をつないでいるかのように並んでいます。
深い軒下は縁側空間
遊戯室内部 構造材・内装材は全て茨城県産のヒノキ材を使用しています。縁側空間は建具が全てオープンとなり建物と園庭が一体となります。
桧のルーバーが特徴的な天井です。大工さんが丁寧に一本一本加工して取り付けてくださいました。
エントランスホール 玄関の扉は園長先生がデザインしたオリジナルです。アールヌーボー調の飾りガラスが素敵です。
外から玄関を見ています。
玄関ホールから茶室を見ています。
茶室。建具と壁は和紙を貼っています。和紙は光りを柔らかく吸収するので優しい表情となります。
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