2026-05-02
はらっぱ園遊戯室棟 完成しました。
本計画は、茨城県結城市において45年にわたり、心身に障害をもつ子どもたちと向き合い、療育の場を育んできた「はらっぱ園」様の児童発達支援施設の増築計画です。
単なる遊戯室の拡張ではなく、子どもたちの身体感覚と環境との関係を見つめ直し、新たな場所をつくることを主題としました。建築は木造平屋建とし、屋根架構には16角形の蕪束工法を採用。中心から外周へと放射状に広がる空間は、活動的な場から落ち着いた場まで、子どもたち一人ひとりに合った多様な居場所を生み出します。高い天井と、放射状にあらわれる無垢材の梁は、視線と身体の自由をやわらかく受け止めながら、まるで森の中にいるような安心感をもたらします。
仕上げ材には茨城県産の杉・檜を用い、建具や家具に至るまで無垢材で統一しました。木部には植物油由来の自然塗料を使い、時間とともに味わいが深まる“育つ建築”としています。
これらの素材は、木の香りや手触りといった五感を通して、子どもたちの感覚を静かにひらく大切な要素です。もちろん安全性と安心感は大前提ですが、そのうえで本計画が目指したのは、子どもたちが空間の中で自らの身体を感じ取り、他者や環境との関係を無理なく結び直していける「余白」を持った場をつくることでした。
光の移ろい、陰影のゆらぎ、木のぬくもり。そうした言葉にならない体験が、日々の療育の中で積み重なり、やがて確かな記憶として身体に刻まれていく。
この建築が、子どもたち一人ひとりの成長をやさしく支える場となることを願っています。







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