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2023-09-05

「ガウディとサグラダファミリア展」

東京の東京国立近代美術館にて開催中(9月10日まで)の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」を視察してきました。6月に訪れたヘザウィック展同様、本展も非常に来場者数が多く、館内は高密な状況が続いており、改めて建築への社会的関心の高さを実感させられました。

展示は写真・模型ともに充実しており、アントニ・ガウディの設計思想と生涯が体系的に整理されています。一見すると複雑かつ有機的に見える造形の背後にある構造的合理性—懸垂曲線や幾何学的操作に基づく力学的整合性—や、スケールモデルを用いた造形検証のプロセスが丁寧に示されており、極めて示唆に富む内容でした。また、約140年前の着工から現在に至るまでのサグラダ・ファミリアの歩みについても、政治情勢や戦争、さらには近年のパンデミックといった外的要因と建設プロセスの関係性が分かりやすく可視化されており、建築が時間軸と社会条件の中で生成される営みであることを再認識させられます。

それにしても、サグラダ・ファミリアにおける造形の緻密さと統合性は圧倒的であり、その空間体験は唯一無二と言えます。構造、装飾、光の操作が高次元で融合したその建築は、単なる宗教建築の枠を超え、創造行為の極点を示す存在であると感じました。これほどまでに人の感覚に直接訴えかける建築は稀であり、改めて建築の持つ可能性の大きさを強く印象付けられました。

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