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2024-10-19

古民家再生工事の現場、揚屋(曳家)工事

築105年の古民家を再生する工事が進んでいます。スケルトン状態までバラシ、今週から建物を1.2m程度までリフトアップする揚屋(曳家)工事を行っています。井桁上に組んだ枕木の上に設置したジャッキを使い持ち上げます。8個の油圧ジャッキを交互、又は2・3カ所一緒に、家の構造体がたわんだり、横移動しない様に持ち上げていきます。今回は差し鴨居、梁などで支持する内法支持工法で行っています。

揚屋工事の目的は、現況の地盤が周囲よりも低く雨水が溜まりやすくなっていたため、治水対策として地盤面を嵩上げすること、また基礎をつくるための空間を確保する事です。工事はこの後、地面の土の鋤取りを行い、砕石事業、配筋、コンクリート打設と進んでいき、基礎が完成後に新たな土台を設置して行きます。

弊社の古民家再生の設計では揚屋(曳家)工事は16棟目となりました。古民家や古社寺の再生には不可欠な技術になりますが、年々業者(職人)さんが高齢化をたどる一方で、後継者が少なく老舗の曳家さんも廃業する方が多い状況との事です。伝統技術の継承がいつまでつづくのかとても心配です。

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